C型肝炎ウイルス(HCV)はデングウイルス,ウエストナイルウイルスなどと同様フラビウイルスに属す1本鎖RNAウイルスである。主に血液媒介感染により高率に慢性化し肝発癌との強い関連が特徴である。日本では主に70歳以上の高齢者に感染者が多く分布している。DNAウイルスと異なり遺伝子組み込みを見ないHCV感染による発癌過程には感染したホストに対する脂質代謝,糖代謝,鉄代謝変化と酸化ストレス発生が病態に関連していることが示されている。 抗ウイルス薬剤(Direct Acting Antivirals)により経口投与8−12週によりウイルス排除95%が望めるようになったが,肝臓に存在する線維化改善に時間もかかることからウイルス排除が発癌0と短絡的に考えることなく経過を観察する必要がある。また抗ウイルス剤に対する耐性ウイルスも存在している。