日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.46,No.6 (2018)

表題:
食中毒[5]
食品工場での微生物汚染とその対策
著者:
内藤茂三(食品・微生物研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.46,No.6,pp.265−274(2018)

微生物による食品変敗では原因微生物は限定され細菌,酵母,カビ等であるが,その種類は極めて多い。その一部は発酵食品や加工食品の製造に利用されているが,多くは食品の品質劣化に関与している。例えば,微生物が過度に食品に生育することにより香りの変化,色調の変化,組織の変化等が生じ発酵食品や加工食品の価値を低下させる。
食品の微生物による変敗とは可食性を失う現象を意味し,基本的には食品中のタンパク質,炭水化物,脂質の分解される過程を意味し,付随的に微生物が生産する化合物や酵素が関与する。このため食品変敗に関与する微生物は完全に殺菌する必要はなく,大きく増殖しなければよい。そのためには食品工場環境に存在する微生物,特に乳酸菌,酵母,カビ等を把握し,その微生物を加熱殺菌,薬剤殺菌,食品添加物等で制御する必要がある。

Key words:
Food poisoning bacteria(食中毒菌)/Microbial contamination(微生物汚染)/Food deterioration yeast(食品変敗酵母)/Food deterioration mold(食品変敗カビ)/Food deterioration lactic acid bateria(食品変敗乳酸菌)/Food deterioration bacillus(食品変敗バチラス)/Ozone(オゾン).