TiO2光触媒の歴史は古いが,可視光照射下での高い光触媒反応性の実現などの課題や,光子と半導体表面との相互作用故に解明されていない点も多々あり,実用的な研究開発だけでなく基礎的な研究も行われている。本稿では,一般的に認知されている光触媒のメカニズムや課題を概説する。次に,UV-A(315~400nm)の紫外線LED光触媒反応下での実用的な時間内での殺菌処理技術の構築を目指したLED光触媒による殺菌効果の基礎的な知見の一端を紹介する。そして,MA(Modified Atmosphere)貯蔵技術をベースにLED光触媒による汎用型鮮度保持技術の実用化を見据えた食品の鮮度保持効果の知見の一端を紹介する。