中圧水銀ランプ(MPランプ)の排水中医薬品類に対する分解能についてその優位性を検討するため,多波長の紫外線を放射するMPランプと波長254nmの紫外線を照射する低圧水銀ランプ(LPランプ)を使用し,純水中および人工下水中のイブプロフェン(IBP),クロタミトン(CRT),カルバマゼピン(CMP)の分解実験を行った。純水系では,LPランプにより,IBPが35.5%,CRTが41.3%分解されたが,CMPは分解されなかった。MPランプにより,IBPが99.9%,CRTが99.8%,CMPが53.4%分解された。一方で,人工下水系では,LPランプでは医薬品類は分解されなかった。MPランプでは,IBPが54.8%,CRTが48.1%,CMPが9.49%分解された。したがって,MPランプは再生水利用時に問題となる微生物学的安全性の確保と医薬品等の難分解性有機化学物質のリスクを同時に低減が可能であることが示された。