伊勢湾から分離されたHeterosigma akashiwo殺藻細菌9/27−2株の16S rRNA遺伝子の部分塩基配列1225bpを解析した結果,Pseudoalteromonas bacteriolyticaと99%の相同性を示した。現場海域の細菌群集存在下で9/27−2株がH. akashiwoを殺藻する過程における,同株の動態を変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法で調べた。その結果,H. akashiwoが死滅した培養開始2日目に,9/27−2株のバンドが出現し,9/27−2株は現場細菌群集存在下でも作用し同藻を殺藻することが確かめられた。また,9/27−2株を接種せず,現場細菌群集をH. akashiwo培養液に接種しただけでも,培養開始4日目に9/27−2株のDGGEバンドが出現し,H. akashiwoが死滅したことから,同株は天然海域でも長期間存在し,同藻の消滅に関与している可能性が示唆された。