室内塵の好温性カビについて実態調査を行った。大阪府内やその周辺について,2013-2016年に夏の調査を行うとともに,冬との比較を行った。また,地域的違いを調べるために,高知県や沖縄県との比較を行った。好温性カビは,これまで知られていた水回りやエアコンのほか,カーペットだけでなくフローリングなど室内環境のあらゆる部分に,一定数常在していることが分かった。また,Aspergillus fumigatusなどの好温性カビが生育していることが分かった。これらのカビは冬に比べて夏に多く,夏でも暑い年により多く,大阪より多湿である沖縄に多いことが明らかになった。今後地球温暖化が進行し,気温が上昇し,かつ湿度が上昇すれば,大阪などでもA. fumigatusなどの好温性カビが増加する可能性があると思われる。