近年,レジオネラ属菌において,生菌のみを検出する迅速検査法LC EMA-qPCR法が開発された。浴槽水についての有効性は報告されているが,拭き取り検体については知見に乏しい。そこで今回,拭き取り検体32検体について,LC EMA-qPCR法と培養法,及びLAMP法を比較し評価した。LC EMA-qPCR法の培養法に対する感度は93%(13/14),特異度は67%(12/18)であった。培養法陽性,LC EMA-qPCR法陰性は1検体(20CFU/プース)のみであった。LAMP法の培養法に対する感度は50%(7/14),特異度は67%(12/18)であり,培養法で10~50 CFU/プースの低菌数検体5検体全てでLAMP法陰性となった。さらに,高菌数検体でもLAMP法陰性となった検体が存在した。LC EMA-qPCR法は,LAMP法より検出率が高く,良好な感度が得られた。また,培養法に対するLC EMA-qPCR法の定量値の比較ではR2=0.7457と高い相関を示していた。LC EMA-qPCR法は,拭き取り検体についても,培養法の結果を良好に反映する方法であった。