日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.46,No.9 (2018)

表題:
医療・食品・環境分野で注目される抗菌技術
5.抗菌防臭機能を有する吸水性樹脂
著者:
三宅浩司((株)日本触媒AA-SAP生産統括部主席部員)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.46,No.9,pp.407−416(2018)

世界で初めて日本で企業化された吸水性樹脂は,紙おむつなどの衛生材料に多く用いられている。近年消費者の衛生意識の高まりに伴い抗菌加工された紙おむつが販売されるようになり,消費者保護の観点からその抗菌試験方法が求められていた。
吸水性樹脂工業会と日本衛生材料工業連合会は,共同で尿を吸収した状態での抗菌加工された吸水性樹脂の抗菌試験方法を開発した。試験に用いるため開発した人工尿は,人尿と同様に大腸菌や黄色ブドウ球菌が増殖するものであった。
抗菌性加工された吸水性樹脂は大腸菌,黄色ブドウ球菌に対し抗菌性を示した。
吸水性樹脂はアンモニアやアミンを吸収することにより防臭性能を有し,また消臭剤や吸着剤等を付与することにより防臭性能を付与することもできる。

Key words:
Superabsorbent polymer(吸水性樹脂)/Antibacterial(抗菌)/Antimicrobial(抗菌)/Odor control(防臭,消臭)/Synthetic urine(人工尿).