日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.46,No.11 (2018)

表題:
環境水からのレジオネラ・宿主アメーバ検出とその制御[5]
環境水からのレジオネラ属菌の検出 培養法と遺伝子検査法
著者:
枝川亜希子(大阪健康安全基盤研究所 衛生化学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.46,No.11,pp.513−519(2018)

レジオネラ検査の水質基準は,公衆浴場の浴槽水などにおいて培養法で「不検出(10cfu未満/100ml)」と定められている。培養法により検出された生菌コロニーは,種々の生化学的性状試験が行われ,そこから得られる情報は非常に多い。一方,レジオネラは増殖速度が遅いため,培養法では検査結果を得るまでに1週間~10日を要する。長時間を要する検査手法は,感染症対策の遅れを招くことになり,感染の拡大も懸念される。特に公衆浴場においては,営業再開の遅れは経済的な損失も大きい。そのため,近年は迅速な検査方法として,半日~1日程度で検査結果を得ることができる遺伝子検査法が活用されている。本稿では,環境水試料からのレジオネラ検出法である「培養法」と「遺伝子検査法」について解説する。

Key words:
Legionella spp.(レジオネラ属菌)/Culture(培養法)/LAMP methed(LAMP法)/Real-time qPCR method(リアルタイムPCR法).