環境水中のレジオネラ属菌の検査方法として培養法が広く用いられるが,結果を得るまでに一週間以上を要する。そのため,培養法を補う検査方法としてPCR法やLAMP法などの遺伝子検査法が普及してきた。しかし,遺伝子検査法と培養法の結果は同一試料を検査した場合でも食い違うことがあり,遺伝子検査法は培養法よりも高い検出率を示す。それは,培養法が培地上にコロニーを形成する能力を持つレジオネラ属菌を検出するのに対し,遺伝子検査法はレジオネラ属菌の遺伝子を検出するためであるが,他にも両検査方法の結果が異なる要因は考えられる。本稿では培養法と遺伝子検査法の結果に相違が生じる要因,およびそれぞれの結果をどのように解釈すればよいのか考える。