Vol.47,No.1 (2019)
- 表題:
- 乾燥固体表面上のStaphylococcus aureusに対する気体状次亜塩素酸の殺菌効果に及ぼす相対湿度の影響(短報)
- 著者:
- 吉田真司,林 智裕,井深祥太,堀切茂俊(パナソニックエコシステムズ(株)),福﨑智司(三重大学大学院 生物資源学研究科)
- 掲載:
- 日本防菌防黴学会誌,Vol.47,No.1,pp.3−6(2019)
乾燥した固体表面上のStaphylococcus aureus菌体に対する気体状次亜塩素酸(HOCl(g))の殺菌作用を異なる相対湿度および温度環境下において試験した。生菌数の対数減少は,HOCl(g)濃度と時間の積(CT値)に依存し,不活化速度は相対湿度が48%から93%まで上昇するとともに増加した。生菌数の90%減を与えるCT値は,相対湿度と相関していた。予想に反して,HOCl(g)の殺菌作用に及ぼす温度の重要な影響は見られなかった。これらの結果は,乾燥表面上のStaph. aureus菌体に対するHOCl(g)の初期吸着が全殺菌プロセスの律速段階であろうことを示唆した。
- Key words:
- Gaseous hypochlorous acid(気体状次亜塩素酸)/Bactericidal action(殺菌作用)/Relative humidity(相対湿度)/Bacterial cells on dry surfaces(乾燥表面上の細菌)/Forced-air vaporizing system(強制通風気化システム).