日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English

日本防菌防黴学会誌

Vol.47,No.6 (2019)

表題:
物理的微生物制御技術の今とこれから[3]
紫外線の利用−高効率の紫外線照射による水の殺菌浄化
著者:
出口憲一郎(千代田工販(株) UVシステム事業部 リサーチセンター センター長)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.47,No.6,pp.249−258(2019)

水処理システムにおける紫外線殺菌装置は,非加熱で消毒副生成物が生じず,他の殺菌プロセスに比べて省スペース低コストで維持管理も容易なことから微生物対策技術として欠かせない単位プロセスであり,加熱やろ過,薬剤などのプロセスと組み合わせて総合的に微生物学的安全性を高めるマルチバリアとしての適用が拡大している。また近年,新しい紫外線光源であるUV-LEDの技術革新が目覚ましく,注目を集めている。
そこで本稿では,紫外線殺菌の基礎的事項について解説するとともに,食品飲料水,上水道,下水道,水産,製糖等の各分野における微生物リスクと制御に関する最新情報とそれに対応する各紫外線殺菌装置について紹介する。また,従来不可能とされてきた透過率1%以下の液体にも適用可能な新しい紫外線殺菌装置やUV-LEDの水処理装置への適用など,紫外線水殺菌を取り巻く最新動向についても併せて紹介する。

Key words:
Ultraviolet Disinfection(紫外線殺菌)/UV-LED(深紫外LED)/Low-pressure Lamp(低圧UVランプ)/Cryptosporidium(クリプトスポリジウム)/Medium-pressure Lamp(中圧UVランプ)/Drinking water(飲料水)/RED(換算紫外線照射量)/CFD(数値流体解析)/Biodosimetry(生物線量計).