まず,本講座では保存効力試験(チャレンジテスト)だけでは,防腐力を正しく評価できない化粧品カテゴリーの防腐力評価や防腐処方設計法について述べる。また,防腐処方設計する前の化粧品の原材料の微生物汚染リスク評価の考え方から防腐処方設計した後の生産に向けたスケールアップ品の防腐力評価の考え方に至るまでを述べる。さらに,製品開発フロー全体の中で,微生物学的品質保証の観点からどのようなリスクが考えられ,どのように評価すれば良いのかの考え方について述べる。そして,化粧品の製造現場における微生物制御に関連する3つのテーマについて述べる。最後に,前回の紙面だけでは語り尽くせなかった「化粧品とカビ・酵母」についてさらに先生に述べていただく。