日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.47,No.8 (2019)

表題:
物理的微生物制御技術の今とこれから[5]
電気の利用−交流高電界殺菌技術による食品の迅速殺菌
著者:
植村邦彦(農研機構食品研究部門)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.47,No.8,pp.315−319(2019)

電気を利用した殺菌技術として,通電加熱,交流高電界技術,水中短波帯加圧加熱について述べた。通電加熱は交流高電界技術の基礎となる加熱方法でありすり身や各種ソース類の殺菌に応用され,交流高電界は果汁などの低粘度液体食品に応用され,水中短波帯加熱は,交流高電界技術が対応できない,タンパク質を含む液体食品やパウチ食品の加熱殺菌への応用が進められている。これらの電気を利用した食品の加熱殺菌は,従来の外部加熱による殺菌に比べて,加熱時間を大幅に短縮することが可能となり,食品の熱劣化を低減し,高品質化が図れる特徴を有する。現在,このような電気を利用した加熱殺菌技術を総称してミニマムヒーティングプロセスと呼び,様々な食品の高品質な殺菌に対応した技術開発を行っている。

Key words:
Joule heating(通電加熱)/High electric field alternating current(交流高電界)/Radio frequency heating in water(水中短波帯加圧加熱)/Minimum heating process(ミニマムヒーティングプロセス).