ハツカダイコン,レタス,キャベツ,トマト,メロンの栽培環境を対象にリステリアを接種しその生残性を調べた。土壌にリステリアを接種すると栽培期間を通じ一様に減少傾向を示した。検出された接種菌のうち,最大で1 log CFU/g程度が損傷菌として存在したが,その数は全菌数との明確な関係は認められず,接種開始から徐々に増え最大値に達した。また,栽培期間中に対象野菜が生長を続け,土壌環境へ各種物質を分泌すると考えられるが,接種したリステリアの生育促進や,損傷菌からの蘇生に機能する現象は認められなかった。
トマトおよびメロンの果実表面に接種した場合も一定期間リステリアは生残し,土壌と同様に1 log CFU/g程度の損傷菌の発生が認められた。このことから,各種栽培管理における果実との接触に留意することが可食部汚染リスクの低減に繋がることが示された。