室内の空気浄化を想定した電気集塵装置による捕集菌の不活性化効果とそのプロセスを明らかにするために,筆者らがこれまでに得てきた研究成果を紹介した。具体的には,電気集塵装置内における菌の捕集位置と不活性化効果の関係,放電部におけるそのプロセスをROSの分布測定や顕微鏡観察によって検討した。また,加湿による不活性化効果についても検討した。
その結果,常湿においては,放電部に捕集された菌は不活性化されるが,静電界部では難しいことを示した。放電部における菌は,コロナ放電によって生成されたROSが,菌の細胞壁を破壊し,内容物が流出することで不活性化されていることを明らかにした。また,流通ガスを相対湿度75%から95%の範囲に加湿することによって,静電界部においても不活性化効果が得られることを示した。