Vol.47，No.11 (2019)

表題：

ここまできている微生物試験迅速化技術
[1]はじめに

著者：

宮島 誠（日油（株） 油化学研究所）

掲載：

日本防菌防黴学会誌，Vol.47，No.11，pp.491−492（2019）

微生物は生きているため，絶えず変化する存在場所の状況を，微生物試験を通じてより正確に把握するには，状況をより短時間で明らかにすること，即ち迅速化が常に求められる。微生物迅速試験法は，日本薬局方では2016年施行の第17改正で新たに収載され，13種類の測定法が規格化された。本学会でも，迅速化をテーマにして，2015年に特集講座，17年にシンポジウムを開設し，ともにご好評を得ている。その後も迅速化ニーズはさらに高まり，技術の進展にも目覚しいものがある。そこで，シンポジウムでのご講演やそれまでに紹介しきれていない技術，また自動化による効率化のように新たに迅速化として捉えなおした技術などを，講座としてまとめることを考えた。目指したのは迅速化技術の最先端についての情報交換の場であり，それぞれのテーマの学識経験者である数多くの先生方よりご賛同ならびにご尽力を頂戴することができたことを通じて，本講座の開講が可能となった。

Key words：

微生物/迅速試験/迅速化/効率化/日本薬局方．