建築物衛生法は不特定多数の人が利用するビルを清潔な状態で利用できるように,空気,給排水衛生,衛生(清掃・廃棄物処理,防除作業)についての管理項目を定めて,建築物の衛生的な環境の確保を図るよう規定されている。用途としては興行場や百貨店,店舗,事務所,旅館等であり,その規模は特定用途に使用される延べ面積3,000平方メートル以上となっている。この法律は「特定建築物」の所有者,占有者らに求められた法律であり,所有者らは「建築物環境衛生管理基準」に従って維持管理しなければならない。本稿では建築物環境衛生管理基準や室内空気管理に関する事項を解説した。
残り8回の講座で,建物の空調システムの基本的構造や空気を介した微生物感染事例,各空調システムの働きと微生物汚染,抑制対策等について解説いただく。