蛍光染色を用いた,微生物の迅速検出に関して,2002年発売の「バイオプローラ」の技術を紹介していく。決して新しくはない技術ではあるが,感度・精度を高め,かつ検査スピードや簡便さを犠牲にしないため,いたるところに工夫が盛り込まれており,これまであまり公にはなっていなかったその内容をお示しし,原理や特性の理解の助けとしたい。また,実際の運用上避けては通れない「偽陽性」の対処法についても紹介し,現実的なレベルでの知見となればと期待する。さらにシンプルな構造で,向き不向きも比較的はっきりしていることから,向いている検体の推察や,この方法の発展性について,考えて頂く機会になればと思い,書き進めてある。十分ではないかもしれないが,数多ある迅速法を,原理や特性を理解し,運用の可能性をイメージする助けとなれば幸いである。