寒天培地を使用した微生物検査法は,古くから検出・計数が最も確実な方法として世界的に標準参照法(公定法)として採用され続けているが,目視にてコロニー形成を確認するため,時間と手間がかかり迅速とは言えない。今回紹介する技術は,確実で信頼性の高い寒天培地をそのまま利用し,寒天培地を生きている微生物を感知する使い捨てセンサーと位置づけ,培養しながらミクロレベルで継続的(タイムラプス影像)に高解像度カメラにて観察しソフトウエア解析することで,迅速にコロニーを検出する方法である。この方法は単に高解像度カメラとソフトウエアの組み合わせのみでは成立せず,自動化された機器と多くの周辺技術により達成できている。また,コロニー形成があるため,迅速な同定検査への移行がスムーズとなるため検出から同定までの迅速化が図れる。さらには画像が残るため昨今重要視されているDI(Data Integrity)にも対応できている。