2019年末時点で菌類の総数は14万種が記載され,最大200万種の存在が見積もられている。また,菌類の約1800種のゲノム配列が公開されており,全ゲノム配列を用いた系統解析により再検討された菌界の分類体系は8門,12亜門に分けられた。これら最新の分類体系について簡単に紹介する。迅速同定技術に必要な遺伝子情報等は揃いつつあるが,それでも種の同定を確定させるための形態観察を欠かしてはならない。本講座で予定される各分類群の分類・同定法の前座として,光学顕微鏡を用いた顕微鏡観察法の基本と簡略的なプレパラート作製法を軽く紹介する。