徳島県内を流通するエビの細菌汚染状況を調査した。無頭殻付きエビから一般生菌3.71-7.61 log CFU/g,低温細菌3.78-7.23 log CFU/gが検出された。特に殻がカットされたエビは初期腐敗と判定されるほど多くの菌が検出され,衛生管理面で何らかの問題があると推測された。殻付きエビとむきエビの一般生菌数と低温細菌数に差は認められなかったが,大腸菌群数は殻付きエビの方が有意に多く検出された。細菌汚染状況をエビの部位別で検査すると,体の外側の部位(腹肢,腹部第1−5節と第6節の殻,尾扇など)は内側(筋肉,みそ)と比較して有意に検出菌数が多かった。特に尾扇は多くの菌が検出されたため,調理の際は尾の部分も十分に加熱する必要があると考えられた。エビの学術的分類を行った結果,商品ラベルのエビの名称と標準和名は一致していた。一方,小エビは1パックに複数種類のエビが混ざっていることが確認された。