日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.48,No.9 (2020)

表題:
真菌の分類と同定
[4]担子菌キノコ類の多様性と分類・同定
著者:
早乙女 梢(鳥取大学農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.9,pp.433−439(2020)

キノコに代表されるような,大型で目立つ子実体を形成する菌類は「大型菌類」と呼ばれ,その大半はハラタケ亜門(担子菌門)に属する。担子菌キノコ類(大型菌類)は,形態的特徴が実に多様であり,従来,主に子実体の外部形態に基づいたグルーピングが行われてきた。本稿では,まず,担子菌キノコ類に含まれる6つの代表的な子実体タイプを概説し,次に,分子系統解析関係に基づき提唱されているハラタケ亜門の綱レベルの分類体系について簡単に解説する。
担子菌キノコ類の分類と同定に重要な形態的特徴(肉眼的特徴および顕微鏡的特徴)について解説する。キノコ類の子実体に基づくタイプのうち,ハラタケ類と硬質菌類(サルノコシカケ類)を例に,形態的特徴に基づく同定アプローチを紹介する。最後に,分子生物学的手法を利用したキノコ菌種の検査や推定法について簡単に触れる。

Key words:
Basidiomycota(担子菌門)/Macro-fungi(大型菌類)/Molecular Identification(分子同定)/Morphological Observation(形態観察)/Mushroom(キノコ).