日本での新型コロナウイルス感染症・COVID-19は,当初は北海道での流行の後,首都圏に移り,感染者の半数を東京,神奈川,埼玉,千葉の4都県で占めており,阪神間,愛知,福岡なども多い。しかし,その前に収束した季節性インフルエンザでは,大都市圏集中の傾向は見られず,過密都市が新たな感染症に弱いことを示している。同様なことは,世界でも見られ,当初は中国で発生したCOVID-19がヨーロッパ,さらに米国へと拡がり,G7の先進国では,いずれも多数の感染者が発生している。幸い,日本は例外的に感染者数が少ないが。一方で,一般的には感染症が多いとされている途上国の多くは,今のところは,感染者が低く抑えられている。今後どのようになるか不明であるが。
インフルエンザでは,季節性インフルエンザにより多数のかんじゃと死者を出しているが,毎年のことなので,あまり問題にされていない。2009年の新型インフルエンザや1918年スペイン風邪なども忘れ去られている。人類は,これまでもペスト,天然痘,麻疹など多くのパンデミックを経験しているが,今回のCOVID-19パンデミックにより,改めて感染症の問題点を認識しなければならない。