新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは看護の現場に大きな影響を与えた。そこで,このパンデミック期に発生した諸問題およびそれらの問題を解決するために行われた工夫について,感染管理認定看護師と看護管理者を対象に,聞き取り調査を行った。新型コロナウイルス感染症の診療を行うか否かにかかわらず,多くの病院で「3密の回避」「マスクの着用」「物品不足」が看護の現場に様々な影響を与えていた。また,「労務管理上の問題」が発生した病院も少なくなかった。帰国者・接触者外来を引き受けた病院では,医療従事者自身の感染を防ぐために,「業務の分担」「検体採取(特に小児からの検体採取)」「患者の院内滞在時間の短縮」などについて様々な工夫が行われていた。また,「外国籍患者の対応」や「行政への対応」に苦労した病院もあった。