日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.48,No.9 (2020)

表題:
緊急特集版 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)~防菌防黴の観点から~
7.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)地域感染期における看護の役割と看護体制のあり方の課題
著者:
住田千鶴子(稲沢市民病院 看護局)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.9,pp.487−491(2020)

2020年3月6日に1人目の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性患者を受け入れた。46床の一般病棟を感染症患者専用に切り替え,個人防護用具の着脱,手指衛生など感染対策の強化に加え,疑い患者を一般病棟に入れないトリアージ体制,診療科と看護師の配置変換,一般診療の縮小と病院管理者たちは,日々意思決定を行った。5月12日までの68日間,院内感染を発生することなく,陽性患者18名(延べ入院日数259日)を受け入れた。新型コロナウイルスは,世界中を急速なスピードで広がった。現場の看護師は,ウイルスの感染経路や感染力などに関する十分な情報がないまま標準予防策と疾患に応じた感染経路別予防策の遵守を頼りに未知のウイルスの対応をせざるをえなかった。今回の新型コロナウイルス感染症の対応から,私たちは,感染に対する不安だけでなく,看護業務の急激な増大と身体的,精神的な負荷の及ぼす危険性を学んだ。看護局の責任者として,これから起こりうる地域感染拡大に備えた組織の体制整備を進めたい。

Key words:
新型コロナウイルス感染症/地域感染期/感染症看護の体制/身体的・精神的負荷/バンドル.