空気搬送系の省エネルギは,ZEB(Net-Zero Energy Building)の実現において極めて重要であり,外気負荷の低減方法の一つとしてクール/ヒートチューブがしばしば用いられている。しかし,クールチューブの場合,その内部で結露するため,微生物が増殖し,それによる室内空気質への影響が懸念されている。省エネルギと空気質の確保の両立が重要な課題となっている。本報は,空調空気搬送経路としてのクールチューブ,クールチューブ内の温湿度環境,クールチューブ内の細菌叢と真菌叢,クールチューブ微生物汚染の対策方法について述べるものである。とくに,次世代シーケンサーを用いたクールチューブ内の細菌叢と真菌叢の解析に関する部分は本邦初めて報告された研究成果である。