日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.48,No.12 (2020)

表題:
不織布を用いた乾燥タンパク質付着ステンレス鋼表面の拭き取り洗浄における水の界面での役割(原著論文)
著者:
田中恵祐,長谷諒佑,福﨑智司(三重大学大学院生物資源学研究科),成松絢葉,落合 徹,新井田康朗,(クラレクラフレックス(株)),髙橋和宏(岡山県工業技術センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.12,pp.629−634(2020)

レーヨンおよびPET不織布を用いた拭き取り洗浄によるステンレス鋼表面上の乾燥タンパク質の除去について,異なる荷重下で吸水量の関数として検討した。乾式拭き取りでは,有意な量のタンパク質は除去されなかった。タンパク質の除去率は,不織布への吸水量を高めると増加した。最大除去率を達成する最小の吸水量は,荷重を高めることで減少した。水の表面張力の低下は,最小吸水量を低下させた。往復拭き後のタンパク質の残存率は,片道拭き後の残存率よりも有意に高かった。以上の結果から,吸水量と荷重の組み合わせが不織布を用いた拭き取り洗浄の除去率を決める重要な因子であることが示された。

Key words:
Nonwoven fabric(不織布)/Hard-surface cleaning(硬質表面の洗浄)/One-way and back-and-forth wiping(片道・往復拭き)/Water absorption(吸水)/Removal of dried protein(乾燥タンパク質の除去).