日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.48,No.12 (2020)

表題:
ダニが媒介する感染症
著者:
弓指孝博((地独)大阪健康安全基盤研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.12,pp.635−644(2020)

ダニ類は非常に多くの種類を含んでおり,土壌中,植物上,水中などほとんどあらゆる環境に適応して生息している。その中には人や動物に寄生したり,アレルギー疾患の原因になるなど人に害を及ぼす種類も含まれるが,その最たるものが感染症を媒介するダニ類である。ここでは,我が国で患者発生数が多いツツガムシ病,日本紅斑熱,重症熱性血小板減少症候群(SFTS)をはじめダニ媒介性脳炎,ライム病,その他の新しい紅斑熱リケッチア症などについて,その疫学,病原体,症状について概説した。また,媒介者であるツツガムシ,マダニについても,その種類や生態,それらの調査法や同定について簡単に紹介し,これらのダニや感染症に対する注意点も付記した。

Key words:
Chigger mite(ツツガムシ)/Tick(マダニ)/Rickettsia(リケッチア)/Tsutsugamushi disease(ツツガムシ病)/Japanese spotted fever(日本紅斑熱)/SFTS(重症熱性血小板減少症候群)/Tick-borne encephalitis(ダニ媒介性脳炎)/Lyme disease(ライム病).