強制通風気化システムにおける次亜塩素酸とモノクロラミン(NH2Cl(g))の揮発性と殺菌作用をアルカリ性条件下(pH8.5)で検討した。モノクロラミン水溶液は,撹拌条件下で同量の1M NH4Clと14mM NaOClをpH8.5で混合して調製した。NH2Cl(g)の揮発量は,気体状HOCl(g)より約13倍も高かった。HOCl(g)とNH2Cl(g)の放散過程は,各々零次および一次速度論に従うことが示された。湿潤寒天平板上のVibrio parahaemolyticusとCladosporium cladosporioides胞子に対するHOCl(g)とNH2Cl(g)の不活化効果は,各々の濃度と時間の積に依存した。NH2Cl(g)への暴露の初期に,死滅の遅延期が見られた。NH2Cl(g)の不活化効果はHOCl(g)と比較すると低いけれども,揮発NH2Cl(g)が相対的に高濃度なので暴露時間を延長すればHOCl(g)と同等の効果を得ることができた。