Vol.49,No.1 (2021)
- 表題:
- 環境管理による院内(病院)感染防止−最新情報をふまえて−
[4]院内感染事例-輸液の微生物汚染-
- 著者:
- 尾家重治(山陽小野田市立 山口東京理科大学 薬学部)
- 掲載:
- 日本防菌防黴学会誌,Vol.49,No.1,pp.27−30(2021)
投与中の輸液が微生物汚染を受けると,敗血症性ショックなどの重篤な事態を招く。しかし,輸液の微生物汚染は目視では分らない場合が多いため見過ごされてしまうことが少なくない。言い換えれば,輸液の微生物汚染による院内感染が見逃されているのが現状であろう。そこで本稿では,筆者が経験した輸液の微生物汚染の4事例について報告して注意を喚起したい。また,その汚染がATPの測定により迅速に判定できることについても報告する。
- Key words:
- Nosocomial infection(院内感染)/Sepsis(敗血症)/Infusion(輸液)/Candida parapsilosis(カンジダ)/Serratia marcescens(セラチア)/Bacillus cereus(バチルス)/ATP.