給水54試料,給湯水6試料,井戸水3試料,湧水77試料の合計140試料を対象に,レジオラート(Legiolert,IDEXX)を使用して飲料水検査用プロトコール(100mL法)に準拠し,Legionella pneumophilaの検出を行った。その結果,140試料中38試料(27.1%)で陽性を示したが,これらについて確認したところ,1試料を除く,37試料(26.4%)の陽性はL. pneumophilaによるものではなく,いわゆる誤陽性であった。試料の種類別では,給水・給湯水の上水系試料では誤陽性はまったくなかったが,井戸水・湧水の地下水系試料では80試料中37試料(46.3%)で誤陽性が認められた。これらの同一試料について10mL法によりもう一度試験したところ,誤陽性は16試料(20.0%)に減少した。これら誤陽性の原因となる微生物を同定したところ,腸内細菌ではSerratia marcescensが9試料(20.0%)と最も多かった。ほかにMorganella morganiiやProvidencia alcalifaciensなどであった。また,S. marcescensの陽性菌量を検討したところ,100mL中に3CFUの細胞が存在すればレジオラートで検出可能であることがわかった。