安全キャビネットはクリーンベンチと異なり,検体から作業者を守り,かつ検体を清浄空間で取り扱うことを目的とした実験装置である。1種~3種病原体の使用施設は年に1回以上の点検を行うことが義務化されている。JIS K 3800により,定期検査・保守点検前にキャビネット内部の微生物汚染を取り除くことが推奨されており,附属書にてホルムアルデヒドくん蒸による除染方法が掲載されている。近年ホルムアルデヒドの規制が強化されており,代替方法の研究が盛んになされている。本稿では,第十七改正日本薬局方に収載されている過酸化水素ガスを用いて安全キャビネットの代替除染方法を検討したため,方法と結果について一部解説する。