日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.49,No.3 (2021)

表題:
持続社会での木材の長期使用
[1]開講にあたって
著者:
今村祐嗣((一財)建築研究協会 京都大学名誉教授)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.49,No.3,pp.129−136(2021)

近年,豊富な森林資源を背景に国産材の利用促進が積極的に行われつつあり,従来の認識を越える木造建築物や使われ方も都市で目にする機会が増えてきました。また,木材のもつ炭素貯蔵効果や長期使用による地球温暖化防止への環境貢献も注目されています。このように持続型社会に向けての木材利用が注目されている中で,木材の劣化防止に視点を当てて本講座を企画しました。すでに当学会においては,2010年に「木材保存の現状と将来」,2014年に「木材劣化の現状とその対策」と題する講座が開設されています。今回は,木材の微生物劣化について森林と生活空間から説き起こし,最近増加している都市での新しい木材利用に視点を当て,その耐久性の向上について木材と劣化微生物の関係を考察し,最新の木材腐朽の化学を解説し,また,新しい保存処理法について紹介するとともに,長期使用の上で重要な劣化診断と保守について解説します。

Key words:
Wood(木材)/Durability(耐朽性)/High-performance(高耐久)/Service-life(耐用年数)/Protection(保存)/Preservation(保存剤)/Decay(腐朽).