日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.49,No.4 (2021)

表題:
短波長紫外線によるエンドトキシン不活化法の開発
著者:
鈴木浩子(ウシオ電機(株) 開発設計部門),福井千恵,蓜島由二(国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部),藤巻日出夫(一般財団法人民生科学協会),菊池 裕(千葉県立保健医療大学 健康科学部栄養学科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.49,No.4,pp.157−161(2021)

エンドトキシンはグラム陰性細菌の細胞壁外膜に局在する耐熱性の菌体抗原である。血中に入ると,微量であっても,発熱やショック等の種々の生体反応を引き起こすことが知られている。エンドトキシンは,250℃・30分以上の乾熱処理により,完全に不活化できるが,耐熱性に劣る合成高分子や天然由来材料等には適用できない。一方,既存滅菌法によるエンドトキシン不活化率は,72−95%程度であることが報告されている。そこで我々は,キセノンエキシマランプから放射される172 nmの真空紫外光(Vacuum Ultra Violet Light:VUV光)を利用して,エンドトキシンを簡便且つ短時間に不活化する方法を開発した。本技術は,材料自体の特性にも大きな影響を与えないことから,高度な清浄性が要求される器具類の製造工程等の脱パイロジェン法として活用されることが期待される。

Key words:
Endotoxin(エンドトキシン)/LPS(リポ多糖)/Pyrogen(パイロジェン)/Excimer Lamp(エキシマランプ)/Vacuum Ultra Violet(真空紫外線).