排水処理設備の中でもその中核となる「生物処理」における微生物のコントロールの概要について解説した。「生物処理」には「好気処理」と「嫌気処理」があり,排水処理のプラントとしてメリットが出るよう,上手に「好気処理」と「嫌気処理」を使い分けて設計する必要がある。「生物処理」の主要コントロール要因には排水投入量(負荷,HRT),栄養源,pH,温度,MLSS,DO,ORP,阻害防止対策等がある。これらコントロール要因の中で最も注意すべき要因は「好気処理」「嫌気処理」を問わず有機物負荷と微生物量のバランス,つまりF/M比と考える。生物処理設備を運転管理するものは,その現場ごとの適正なF/M比を把握し,それを管理することが最も重要である。