繊維製品の抗菌性の定量的試験方法として,JIS L 1902:2015では,菌液吸収法,トランスファー法,菌転写法が規定されている。これらの方法では,試験布からの生菌の洗い出しと,洗い出された生菌の計数により抗菌活性が測定される。洗い出し操作と計数操作は煩雑な操作であるため,安定した抗菌活性値の算出には操作者の熟練を要する。本研究では,カロリメトリー法を利用した生育遅延時間解析法を菌液吸収法による抗菌活性測定に適用したところ,洗い出し操作なしで抗菌活性の測定ができることを確認した。またカロリメトリー法で得られたデータは装置付属のソフトウェアを利用することで数分~10分で解析できた。また必要となる消耗資材も削減された。以上のことから,この方法を適用すれば,抗菌活性測定が省力化すると考えられた。