環境整備を基本とし殺虫剤等の使用を優先しないIPM(Integrated Pest Management:総合的有害生物管理)管理によるペストコントロールは,食品衛生7S(整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・躾・清潔)の実践が有効的な手段である。整理整頓は,有害生物の住処や隠れるところが少なくなる。清掃は,有害生物の食べ物を確実に無くすことができる。また,食品衛生7Sの目的は「清潔」であり,微生物を繁殖させない手段として「ドライ」を推奨している。微生物が発育する3つの条件「温度,栄養,水分」のうち「水分」を除去できる。カビによる食品の汚染を防止し,チャタテムシやヒメマキムシなどの発生原因を無くすことできる。有害生物の駆除に使用する殺虫剤を減らし,製造環境内で効果的な運用ができる。食品衛生7Sの実践は,ペストコントロールが目指すIPM管理に有効な手段であることを,事例をもちいて本講座まとめる。