日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.49,No.5 (2021)

表題:
食の安全・安心科学−食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策−
[5]食品製造現場・食品における芽胞形成細菌
著者:
阪口義彦(北里大学 医学部 微生物学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.49,No.5,pp.223−228(2021)

本講座では,食品製造現場・食品における芽胞形成細菌について記載した。概要として,1.芽胞形成細菌の予防,2.芽胞形成細菌の種類と分布,3.食品衛生上問題となる芽胞形成細菌,4.食品製造現場・食品による汚染について解説した。「3.食品衛生上問題となる芽胞形成細菌」については,食中毒や食品変敗の原因となる(1)ボツリヌス菌,(2)ウエルシュ菌,(3)セレウス菌,(4)枯草菌の4菌種を例にあげ,それぞれの菌種について説明した。芽胞は,土壌や水系環境など自然界に広く分布していることから,様々な食材に汚染する可能性がある。食品製造や調理の現場において,食材の洗浄,調理および加熱殺菌などの工程を経て食品を製造しても食品中に芽胞が生存することがあり,芽胞が食中毒や食品の変敗(酸敗)の原因となり大きな問題となる。そこで,食品製造現場での芽胞の汚染対策および殺菌・消毒法などについて記述した。

Key words:
Food manufacturing floors(食品製造現場)/Food(食品)/Spore-forming bacteria(芽胞形成菌)/Contamination(汚染)/Sterilization(殺菌).