HACCP制度化によって,食品の衛生管理は工程毎の一般的管理プログラムによって実施されることになった。しかし,HACCPに沿った衛生管理の中でも微生物検査が必要になる場面が多々ある。特に,2次汚染の管理においては,環境微生物検査が有用である。HACCPの中で環境微生物検査は,妥当性確認,検証,原因究明の3つの目的で使用される。環境微生物検査では,食品微生物検査のように検査項目,基準値などが食品衛生法や衛生規範で定められていることが少ないため,基本的には自社基準を設ける必要がある。その際に使用されることの多い微生物として,汚染指標菌(一般生菌,大腸菌群,黄色ブドウ球菌)がある。また,サンプリング方法としては,物の表面の微生物を対象とする付着菌検査(拭き取り法,スタンプ法),空気中の微生物を対象とする落下菌検査および浮遊菌検査が用いられる。