日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.49,No.7 (2021)

表題:
持続社会での木材の長期使用 [5]木材腐朽菌の科学
著者:
吉田 誠(東京農工大学 農学研究院)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.49,No.7,pp.337−343(2021)

腐朽とは,木材腐朽菌と呼ばれる真菌類の一群が木材細胞壁構成成分であるセルロース,ヘミセルロース,リグニンなどを攻撃し,それによって木材の強度低下や損傷が引き起こされる現象である。これは言い換えれば,木材腐朽菌が木材細胞壁の成分を分解し,その分解物をエネルギー源として摂取し,最終的に木材構成成分が二酸化炭素と水にまで代謝されるプロセスとも言える。「木材腐朽菌の科学」では,腐朽という現象を,上記のような生物学的なプロセスとして捉えることで,木材腐朽菌がどのように餌となる木材細胞壁を攻撃するのか,その分子メカニズムについて,最新の知見を含めて概説する。

Key words:
木材腐朽菌/白色腐朽菌/褐色腐朽菌.