清浄な室内空気質の維持は,健康な生活を維持するために重要であり,換気による外気導入によって実現される。一方,外気導入は温熱環境の快適性とのトレードオフとなるため,これを解決するためには,空気清浄機が有効である。室内の空中浮遊菌は,空気清浄機の集塵フィルタで除去され,さらに薬剤や紫外線,プラズマ放電などの各種除菌技術によってフィルタ表面で処理される。一方,近年,空気中に直接作用する新たな除菌技術が提案され,各種製品が上市されている。中でも,次亜塩素酸の水溶液を用いた空間除菌技術は,ミスト状,気体状で空気中の浮遊粒子や固体表面に直接的に作用することが確認されているほか,空間中における挙動についての解析がなされている。このような機器を用いた空気清浄機能の有効性および,今後の展望について述べる。