芝崎 勲先生とのご縁は,日本酒のポスト・サリチル酸として,卵白リゾチームを利用する研究で発酵工学雑誌(46巻10号(1968))に投稿した後,実用化に向けてご指導いただいたことから始まりました。先生には弊社の隔月発行技術情報紙「パートナーニュース」(PN)に1994年から2007年までの14年間,78回執筆していただきました。先生はPN #114(2006)の中で「人類と微生物との戦いは永遠に続く」と表現され,未知の微小生物が見いだされる可能性があるとして,1970年以降明らかにされた微小生物をまとめられ,ウイルス11種が重要な病原体であったことを指摘されています。先生の言われた,食品の保蔵性を高めるために「物理的処理の補完に防腐剤を使う」方法は,現在加工食品の主流になっているチルド流通食品(10℃以下保存)で,防腐目的として各種の食品添加物で補完されています。クリーンラベルの流れでしょうか。最近では醸造酢など食品素材で補完する方法も始まっています。先生のご指導された食品の保蔵法は受け継がれ,続きます。