本稿は,HACCP構築から国際的な食品安全システムであるISO22000やFSSC22000の取得に際する食品衛生7Sの実践について纏めている。食品衛生7Sは,全社的な実践活動としてHACCP構築に必要な一般衛生管理の仕組みづくりとしてスタートした。食品衛生7Sは経営者が決意し導入したことから,弊社の衛生管理の根本的な活動となった。継続する食品衛生7Sは,さらにレベルアップしてISO22000やFSSC22000の国際認証規格の取得の推進力となった。食品衛生7S活動は,あまり関係ないと思われた新工場の基本設計にも効果的な影響を与えた。新工場建設中の経営陣,現場作業者と食品衛生コンサルタント,社外の設計者,施工業者などの立場・役割や視点から衛生管理の考え方や取り組みを紹介している。また,設計段階から建設完了までの内容だけなく,稼働直後から稼働後の数か月後に起きた問題点や状況も参考になればと思い書き加えている。食品衛生7Sの導入から運用の事例として新たに新工場の建設に着手する食品企業の参考になれば幸いである。