室内の浮遊カビ汚染に対するエアコンの影響の季節変動を調査した。具体的には,2018年8月~2019年7月に大阪市及びその周辺の一般住宅(8世帯14部屋)で,毎月エアコン稼働前後の浮遊カビを採取した。その結果,稼働直後に,吹き出し口周辺の浮遊カビ数は指数関数的に増加することがわかった。また,冷房で使用する時期の方が,暖房で使用する時期よりカビ数が多かった。月ごとのカビ数の変化を見てみると,7月と10月にピークがあった。検出されたカビとしては,7月ではCladosporiumが多く,10月ではCladosporium以外のカビが多かった。また,エアコンの使用頻度等のアンケートを実施し,エアコン内のカビ汚染を助長する要因の解明を試みた。その結果,エアコンの使用頻度とエアコン周辺の湿度環境(月平均湿度や月降雨量)の影響が考えられた。