日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.49,No.11 (2021)

表題:
生中華めんの長期保存に必要なエタノール濃度と製造工程での管理(原著論文)
著者:
長田 隆(南九州大学 健康栄養学部 食品開発科学科),松井 誠((株)久保田麺業 品質管理課)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.49,No.11,pp.557−561(2021)

賞味期限が3ヶ月程度に設定されている長期保存可能な生中華めんについて,市販されている製品のエタノール濃度と微生物汚染度の実態を調べた。また,長期保存に必要なエタノール濃度と揮発しやすく管理しにくいエタノール濃度の製造工程における変化を明らかにし,その管理方法について考察した。その結果,市販生中華めんのエタノール濃度は1.4~1.7%であった。また,長期保存に必要なエタノール濃度としては0.8%以上が必要であった。しかし,製造工程では,エタノール濃度が低下するため,エタノールを含むかん水水溶液を長期保管せず,当日使い切りとし,めん成型工程で低下するエタノール濃度1.0%を考慮し,製品のエタノール添加濃度を2.0%程度に管理できれば,微生物的な保存性に問題はないと思われる。

Key words:
Raw yellow alkaline noodles(生中華めん)/Alkalophilic microorganism(好アルカリ性菌)/Ethanol(エタノール)/Preservation(保存性).