大阪大学最後の教え子として,芝崎先生に研究の楽しさを教えていただくと共に暖かく守られた学生生活を過ごすことができた。その後食品企業へ就職し,30年余り新製品開発一筋で過ごす中,著書である「新・食品殺菌工学」を通じて様々な微生物制御方法を用いる機会があった。2007年東洋食品工業短期大学へ赴任し,教員として戸惑いを感じながら研鑽を積む中,芝崎先生が,加熱殺菌だけでなく薬剤殺菌・除菌・HACCPと様々な分野で著作を残されていることがわかり,改めて偉大さを再確認できた。現在は,短大で食品製造実習・HACCP教育を担当すると共に,製品開発技法に関する技術伝承に努めている。また短大保有の貴重な缶詰製造に関する書籍を活用し,ボツリヌスクック(12Dコンセプト)の成立過程など食品規制の歴史に関する研究を行っている。学生一人一人の成長を促すことで,芝崎先生に少しでも恩返しできればと望む。