微生物汚染を心配しなければならない現場は多数あるが,本シンポジウムでは特に,再生医療関連,環境,食中毒菌の3分野に絞った。再生医療関連は無菌条件が厳格に要請される分野である。その確実さの担保は最高ランクでなければならない。環境分野ではどの場所からどの程度の頻度でサンプリングするか,ということが難題である。食中毒菌の場合は毒素の同定までが要請され,そのためにはリアルタイムPCR,あるいは免疫分析が不可欠である。予測微生物学はmmオーダーのコロニーになるのを待たずに,より早い段階で微生物細胞が生きていることを予測する方法論を提供する。以上の観点から,各々の分野のリーダー3名に,具体的な事例を示しながら簡便迅速法の現状と展望について,ご講演をお願いした。