日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.49,No.12 (2021)

表題:
池田菊苗と微生物死滅の定量的表現
著者:
榊 秀之(関西福祉科学大学健康福祉学部福祉栄養学科),米虫節夫(大阪市立大学大学院工学研究科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.49,No.12,pp.603−612(2021)

殺菌工程の設計においては,対象となる微生物の分離・同定と殺菌特性を検討することが必要となる。その過程で利用する試験方法や微生物死滅の速度論の多くは1800年代後半に研究が進み,現在では確立されたものとして我々は常用している。今回,化学薬品による微生物死滅の過程研究の揺籃期の研究成果をまとめることにした。その中で,死滅過程を初めて数式化することに成功した池田菊苗の功績をまとめることができた。殺菌理論が確立される初期の過程を知ることが,殺菌研究の幅を広げる一助となることを期待したい。併せて,生菌数計数の方法論が確立される初期の経過についても知見を示すこととした。HACCPを実践するにあたりCCPの決定において避けて通れない理論や方法論が誕生する経過を知ることで,基本の重要性を再認識するきっかけとしていただければ幸いである。

Key words:
Infancy of Sterilization Research(殺菌研究の揺籃期)/Kikunae Ikeda(池田菊苗)/Formulating of Sterilization Process(殺菌過程の数式化)/Microbial Death(微生物死滅),HACCP.