中食・総菜などの加工食品は,「おいしい」だけでなく安全に「日持ち」させる必要があり,ハードルテクノロジーによる食品の微生物制御は,重要なテーマである。食品の微生物制御は食品添加物と,保存温度やpHなどとの組み合わせが有効であることが実験で証明されている。静菌効果を示す食品添加物は,その種類毎にメカニズムが異なっており,複数の種類の食品添加物を併用する事も有効である。ハードルテクノロジーの効果は,予測微生物学を応用することで,より理解しやすくなる。予測微生物学の技術を取り入れることで,賞味期限を常温で1年程度と設定するような食品であっても,保存料や日持向上剤を使うことで従来不可能であった条件(pHや水分活性)で商品化が可能であることが示され,一部の商品で検討が進んでいる。